日本の医薬の許認可は,基本的にアメリカのFDA(食品医薬品局)の承認方法を踏襲している。例外は漢方薬である。FDA式が導入される以前から漢方薬は日本では薬であった。これは,法律が出来る以前から存在しているものは,原則としてそれを遡及しないというルールに基づくものである。日本では,漢方薬または和漢薬はこのような背景で現在でも医薬品なのである。現在の薬事法以後に海外から日本に来たハーブ類,例えばインド,中国などの伝統薬は薬ではない。アメリカでは世界のいかなる国の伝統薬であっても,すべての伝統薬は薬ではない。サプリメントのカテゴリーに入れられる(表3)。
次に,国によって薬の承認条件が異なることも注目しなければならない。承認条件とは,薬をどう認可するかということである。EU,アメリカ,日本では条件が全く違う。EUでは,例えばハーブなど植物由来のものであればいわゆる非臨床試験(動物試験)は省略して,臨床試験だけを行い,そこで安全性と有効性が確認されれば医薬品許可される。しかし,アメリカはすべて動物試験から臨床試験まで合成新薬と同じようにやらなくては許可にならない。FDA方式に準じる日本も同じである。そうすると,EUで何十年も医薬品として通ってヒトで安全性と有効性を確認されている生薬製剤が,日本やアメリカでは薬としては許認可されないという実態が起こる。動物実験が行われていないという理由だけでヒトに医薬品として投与することが許されない。もし許可されたければ,何十億円をかけて動物実験からやり直さなければならない。しかし,生薬メーカーは比較的規模が小さい企業が多く,そんなに資本を投下することが出来ない。第一,ヒトで安全性が確認されたものを動物でやり直して安全性を再び確認することは,話しが逆である。従ってそれらはサプリメントに流れ,ヒトが服用する。結果は同じであるが医療の専門家の介在がないのがサプリメントである。例えば,ドイツでは医薬品として長く使われているイチョウの葉の抽出液が,アメリカと日本ではサプリメントという形で流通している。トクホでなく,ごく一般のサプリメントである。原料は日本から輸出,EUでは薬,日米ではサプリメントとしてという妙なねじれた現象が起こる。3)
| 表 3 天然物と薬の分類 |
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医薬品 |
民間薬、サプリメント |
| 日本 |
生薬活性成分、漢方薬、和漢薬 |
健康食品(特保)、ハーブ類、海外の伝統薬 |
| USA |
生薬活性成分 |
ハーブ類、海外の伝統薬、漢方薬 |
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